はじめに
こんにちは。
このたび、TSKaigi2025で「型推論の扉を開く―集合論と構造的型制約で理解する中級へのステップ」というタイトルで登壇いたしました。
この記事では、TypeScriptが苦手な私でも登壇者としてステージに立つことができた「たった1つの習慣」についてお伝えします。
※ 発表資料は記事の末尾にてご覧いただけます。
前提
私はTypeScriptに対する強い苦手意識があります。
というのも、これまで私はRuby(動的型付け言語)を得意としてきました。
TypeScriptは入社後に学び始めたものの、動的なJavaScriptの世界観に慣れた私には、TypeScriptはまるで異世界の言語に感じられました。
型エラーに遭遇するたびに調べものが増え、学習が停滞。小さなプロジェクトで何度もコンパイルエラーに泣かされ、「なぜ動かないのか」を腹落ちさせるまでに時間がかかり、自信を失う日々を過ごしていました。
その結果、TypeScriptの奥深さを知ることなくエラーを潰しては、そのまま業務をこなすだけ。 苦手意識ゆえにTypeScriptそのものが好きになれませんでした。
自分を変えた「たった1つの習慣」
では、どうしてプロポーザルを通し、ついには登壇できるようになったのか―― それは「日報をつける」というたった1つの習慣を継続したことです。
曽根さんの「強いエンジニアのなり方」という資料に出会い、私は日々の業務に自ら日報をつけることで、自分自身でフィードバックサイクルを回す習慣を取り入れました。
この習慣を身につけてからというもの、ただエラーを潰すだけの日々から、そのエラーはなぜ起き、それが何を防ぎ、どんな思想に基づく設計なのかまで深掘りすることを、自然とできるようになりました。
毎日知識を消化せずにストックしていくことで、次第に「今の自分に何が足りないか」や「次もっとよくするために何ができるか」が見えてきて、自らフィードバックサイクルを回せるようになるのです。
参考: **強い**エンジニアのなり方 - フィードバックサイクルを勝ち取る / grow one day each day - Speaker Deck
結果として、単なる知識が経験に紐づいた知識へと変わり、自らの血肉になっていきました。
なお、今回通過したプロポーザルの内容も、まさに日報で蓄積した気づきや考察をまとめただけのものです。
日報を書き続けておけば、登壇のようなチャンスが来たときに、すでに整理された材料をもとに初動を素早く進められるのも大きなメリットです。
日報はどう書くのか?
私の日報はシンプルに「起きたこと」と「考察」を記すだけです。
ポイントは、形式にこだわらず思いの丈をとにかく吐き出すことが大切だと考えています。
例えば、以下のように書き連ねます。(社内でも初公開のため非常に恥ずかしい笑)
誰にも見られない前提なので、支離滅裂でも間違っていても問題ありません。 重要なのは、書くことで思考が整理され、自然に内省・Nextアクションへつながっていくことです。
また、毎日書くことにこだわりすぎないほうがいいです。
毎日必ず深い学びが得られるわけではありませんし、あまりに「毎日書かねば」と意気込みすぎると、一度書けなかっただけで「もうダメだ…やめよう!」となりかねません。完璧を目指さず、まずは小さな一歩から始めて、自分のペースでゆるく継続していくことが大切だと私は思っています。
週報じゃダメか?
個人的にはおすすめしません。
(実際にやってみましたが)週報は進捗共有になりがちで、私のように忘れがちな人間には、大した内省につながらないことが多いです。
1日ごとに、その日の出来事や感じたことが鮮明なうちに日報を残すほうが、振り返りの精度は段違いに高まります。また、そうした振り返りを続けることで、成長のスピードが著しく上がるのもいうまでもありません。
さらに、日報という粒度の小さい記録のほうがサッと書きやすく、習慣化しやすいメリットがあります。週報だと情報量が多くなりがちで、書くハードルが一気に上がってしまいます。
こうした理由から、週報より日報のほうが継続しやすく、得られるメリットも大きいと言えます。
最後に
今回の登壇はわずか5分という短い時間でしたが、本当に楽しい経験でした。
Xで反応をいただいたり、元同僚から連絡をもらったり、「集合で捉えるという考え方を知らなかった!参考になった」と感想を聞けたことが嬉しかったです。
また登壇をきっかけに、休憩室で他社DevRelの方々から声をかけていただき、「技術広報のキャリア」や「他社のエンジニア採用事情」、さらには「ブログ運営のコツ」など、普段は聞けない貴重なお話を伺うことができました。こうした交流から新たな視点やインスピレーションを得られたのも、何よりの収穫です。
エンジニアイベントはやはり刺激と学びに溢れていますね!
次回はKaigi on Rails2025に参加しようよ思います!さらなる挑戦に向けて準備を進めいきます!
登壇資料
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